放浪息子 #10「10+11」を観て

 スカートを履いてみたい男子は、世にどれほどいるものだろう。多分どのクラスにも数人はいると思う。では、実際に女装したことのある子はというと、これは数がぐっと減るだろう。セーラー服を着て登校したことのある子となると、今のところ耳にしたことがない。
 性同一性障害という言葉が世に広まって数年。男女がより中性的になって来てると言われ、草食系男子という言葉も生まれた。それよりもはるか以前からオカマやニューハーフの存在はあり、彼らは特殊な者であるが、いじめられたりしながらも社会の中で共存してきた。もっとも、女装願望の持ち主で、それを世間にカミングアウトした人は、そのごく一部だろうが。
 大部分の人は、今も昔も変わらない。自分の願望をひた隠し、まわりに女っぽいやつだなと言われつつ、ごまかしながら生きていると思う。ちなみに、たまにテレビで見る、ニューハーフを名乗りながら、不意にどすの利いた声を出して受けてる人は、偽物だと思っている。
 まわりに女っぽいと思われてる男。自覚し、女性になりたいと願う男。二鳥君と共通する男性は、決して数は多くないが確実にいる。
 彼らは、勇気ある二鳥君をうらやましく思うだろう。
 傷ついた二鳥君を心配するだろう。
 二鳥君を変な目で見る生徒を憎らしく、でも、仕方ないと思うだろう。
 佐々ちゃんや、高槻君、千葉さん、更科さん、マコちゃん、アンナちゃんを温かく思うだろう。
 いい家庭だと思うだろう。
 監督として徐々にクラスに戻っていく姿に、がんばれと思うだろう。
 「お前のこと、嫌いなんだ」と土居に言った時、スッとしただろう。
 
 セーラー服を着ていけば、変態と思われるかもしれないけど、かわいいねってほめてくれる人がいるかもしれないと思っていた二鳥君。でもその賭けに無情に敗れた二鳥君。そして、それによって、さまざまな現実と向き合うことになる二鳥君。
 今ここに在る二鳥君がどう考えどんな答えを出していくのか、みんなが見守ってます。
   保健室

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おまけ:    Another   息子   #5

   保健室

カナコ「ヤッホー、ニトリ君、元気?3時間目が終わったとこだよ」
ニトリ「うん、大丈夫だよ。ありがとう、来てくれて。何の授業だったの?」
カナコ「数学だよ。10+11はなんでしょうだって。わかる?ニトリ君」
ニトリ「え、21じゃないの」
カナコ「ブブー。答はテレビ版第10話でした。なんかテレビ版は、本来の10話と11話をまとめて1本にしたんだって。ブルーレイやDVDでは、本来の形で収録されてるらしいよ」
ニトリ「へぇ、でもそれ数学じゃないよね」
カナコ「もー、ニトリ君。細かいこと言わないの」

                  おわり
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放浪息子 #9「かっこいい彼女」 を観て

 女の子になりたい男の子。
 作品のテーマが前面に出た今回、主人公二鳥君の彷徨う心を画面は追っていきます。

 きっかけは、高槻君が男子の制服で登校したこと。
 そして、ユキさん家からの帰り、胸を締め付ける下着をつけても、それがむしろ楽なの、気持ちの問題かな、と言う高槻君。
 かわいいな、これで学校来いよ、と、女装した二鳥君に言う土居君。
 今も女の子のかっこうとかしてんの、と聞く瀬谷君。
 女の子と間違える、おばあちゃん家のご近所さん。
 
 ~かっこよくなったな、高槻さん。ボクも高槻さんみたいに・・・

「にとりんが悪目立ちするのはやだから学校でするのはすすめないけど
   決めるのは私じゃないよ、にとりんだよ」

 「女子の制服なんて・・・着てくって、学校に?」
   「土居は、関係なくはないけど・・・ないよ」

 ~ばれたら怒られる

 ~ボクも、高槻君みたいに楽になりたい
お母さん、びっくりするだろうな お父さんも
    どきどきするけどもう決めた   決めた

 周りからの誘惑がいろいろあったけど、でも、決めたのは二鳥君。反対されるのはわかってても抑えきれない思い。周りに迷惑をかけることになるけど、気持ちを抑え込んだままでいるよりも二鳥君にとってはよかったと思う。また、二鳥くんをうらやましくも思う。二鳥君が高槻君をうらやましく思ってたように。

 ところで、女装した二鳥君の部屋に土居君が入っていくシーン。扉が閉まってから部屋の中のシーンに行くまでがとても長かった。あれは、閉じた扉を見ながらイロイロ妄想できるようにという配慮なのでしょうか。
   登校

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おまけ:    Another   息子   #4

   scean1:電車
ニトリ 「あ、ご、ごめん」
タカツキ「んーん」
  
   scean2:ユキさん家へ行く道
ドイ  「なあ、ニトリ。あれってほんとはオレの役だったんじゃねぇの?」
ニトリ 「うん、そうだけど・・・」
ドイ  「ま、いいけどな。そのかわり、こんどおまえやらせろよ」
ニトリ 「え、何を?」

   scean3:ニトリの部屋
ニトリ 「もう、入っていいよ」
ドイ  ガチャ、パタン
    「すげー、おまえ、マジかわいいな。じゃ、早速やらせてもらうぜ」
ニトリ 「うん」

ドイ  「あ、ご、ごめん」
ニトリ 「んーん」

ニトリ 「・・・ほんとにこんなことしたかったの?」
ドイ  「んー、いいんだよ、これで」

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放浪息子 #8「春」 を観て

 あっという間に2年生になってクラス替え。普通マンガだと登場キャラが偶然一緒のクラスになることが多いけど、今回はばらばら。作者は本当の先生のような心境でこのクラス編成をしたんじゃないかな。
 土居君が二鳥君をまねて「あ、はい」と言うところがとてもリアル。二鳥君みたいなのが嫌いな子、現実でもあんな感じでからかいます。
 高槻君と千葉さんは前回の出来事をきっかけに関係が大きく変化したよう。千葉さんが歯に衣着せずだから、かえって信頼は深まるのでしょう。好き嫌いは別にして。
 男一人と女三人のカラオケ。もし大人だったら修羅場になるようなシチュエーション。でも、お互いの状況をぶっちゃけあって、いい感じに落ち着く。アンナちゃんの人徳のおかげもあるし。この四人の微妙な関係。
 「またみんなで、こうやって遊ぼうよ」
 人間関係の変化が速い年代。小学生の頃に戻ることは無いけど、たまに、当時と同じメンバーで、同じような気持ちで時を過ごすことも、あるのかもしれない。
   カラオケ

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おまけ:    Another   息子   #3

   scean1:アンナの部屋
アンナ「テーマはメガネ少女の休日。似合うじゃん」
ニトリ「あ、ありがとう」

   scean2:後日、ニトリの部屋
マコ 「へぇ、メガネ少女の休日か。にとりん、ボクのこと少しうらやましくなった?」
ニトリ「え?なんで、マコちゃん」
マコ 「もう、ひどいよ、にとりん」
ニトリ「え?え?なんで?」

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放浪息子 #7「薔薇色の頬」 を観て

 千葉さんと高槻君のトイレでのやりとりが核となり、彼女が出来てしあわせな二鳥君と、彼をめぐる二人の少女の心の苛立ちが、対照的に描かれている。と言っても高槻君は、似鳥君のことでなく、純粋に千葉さんの性向に対して苛立ってるんだけど。高槻君には高槻君ならではの悩みがあって、そんないろんなモヤモヤを吐きだす対象に千葉さんがなってしまったって面もある。トイレで千葉さんに、二鳥君とアンナちゃんがつき合ってることを告げる高槻君には、瞬間悪魔が憑依して、でも、それを誘発したのは普段の千葉さんの高槻君に対する態度なわけで。そのあと高槻君は、とてもとても後悔して、自分のことを最低だって言って、千葉さん家にプリントを届けに行ったりして、ほんと、いい子です。高槻君には、千葉さんも自分たちの仲間だという意識が強いんですね。一方、仲直りしたいと言う高槻君に対し、「仲良くなる必要があるの?」と言ってのける千葉さんには、強さやもろさや純真を感じます。
 ところで、二鳥君は小学生の頃、家出をしたことがあります。そのとき行った先は動物園でした。今回のデートも動物園。二鳥君は動物園好き?
   トイレ


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おまけ:   Another  息子    #2

   scean1:本屋
マコト「うわあ・・・ぼくこれちゃんと読もう。にとりんも買うの?」
ニトリ「お姉ちゃん、こんなの全然教えてくんなかったよ。これからもっと増えるって」

   scean2:帰り道
マコト「ぼくのそばかすはチャームポイントなんだって。わけわかんないよ、うちのお母さん。このうえニキビにまで悩まされるなんて絶対やだよ」

   scean3:数日後 登校中
マコト「にとりん、ぼくついに出来ちゃったよ。ほら。あーあ、毎日洗顔してたのにさ」
ニトリ「ほんとだ。でも、大丈夫だよ。ぼくも、すぐに治ったし。マコちゃんもきっとすぐによくなるよ」

   scean3:翌日 登校中
マコト「にとりん、どうしよう」
ニトリ「どうしたの?あ、おっきくなてる。大変、はれてるみたいだよ」
マコト「うん、実は昨日、気になって指で触ってるうちに、つい、つぶしちゃったんだ。そしたら・・・。それに、今朝みたら新しいニキビが三つもできてるし」
ニトリ「いい、マコちゃん、新しいニキビは絶対つぶしちゃだめだよ。帰りに、薬を買いに行こうよ。きっとよくなるよ」
マコト「うん」

   scean4:その翌日 登校中
マコト「わーん、にとりん、どうしよう」
ニトリ「ど、どうしたの・・・わっ、だめじゃない、マコちゃん。つぶしちゃダメっていったのに。全部つぶしちゃったの?すごいことになってるよ」
マコト「ぼくはもうダメだ。最低なやつなんだ。だめだってわかってるのに、つぶさずにいられないんだ」
ニトリ「マコちゃんのバカ!」
マコト「!!」
ニトリ「一度や二度の失敗で、そんな風に言うの、マコちゃんらしくないよ。大丈夫だよ、マコちゃんは、もうつぶしたりしないよ。ニキビもきっと治るよ」
マコト「・・・にとりん」

   scean5そのまた翌日 登校中
マコト「わーん、にとりん」
ニトリ「・・・・・」

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放浪息子 #6「文化祭」 を観て

マコちゃんが主役の回。千葉さんとマコちゃんのやりとりを中心に据え、原作をうまく再構成してあった。
 千葉さんの「卑屈な奴は嫌いよ」は、マコちゃんの核心をついている。ジュリエットは二鳥君にこそこそふさわしい。それでもやっぱり、ジュリエットをやりたいマコちゃん。悩みながらも演劇を成功させようと自分の気持ちを高めるマコちゃんの姿がいじらしい。
 「ドキドキでドキドキを消す」…お化け屋敷の中のシーンは原作には無いけど、大声で叫ぶマコちゃんがとても楽しそうで生き生きと描かれていて、印象に残る。劇が終わった後の千葉さんとマコちゃんのシーンも原作には無いけど、この回を落ち着かせる、とてもいいものになっていた。
 マコ:「笑われたくなかった。女の子として見てもらいたかった」
 千葉:「少なくとも、あんたがジュリエットだって認めた人がいたってこと」
千葉さんが、マコちゃんのジュリエットを認めたということ。
 後、それぞれの家族で下校するシーンも好きです。
   ロミオとジュリエット

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おまけ:   Another  息子

 scene 1:1-3教室 劇の配役決めのくじ引き
かなこ「佐々木君、ジュリエットの乳母だって!」
佐々木「あっ」

 scean 2:下校中
佐々木「うぇー、まいったな。オレ、女装なんてやだよ」
友達 「ハハハっ。おまえ、結構似合うかもな」

 scean 3:佐々木宅 両親の部屋 鏡台の前に一人
佐々木「うぇー、スースーする。頼んない。ってゆーか、似合うもクソもねーだろ。似合うも・・・。似合う?」

 scean 4:本番
佐々木「ああ悲しや!大事な姫様がこともあろうに男の真似ごとばかり」

 scean 5:母と下校
母  「あんた、なかなかよくやってたじゃん。うまかったよ」
佐々木「あたりまえじゃん・・・へんじゃなかった?」
母  「へ、何が?だから、うまかったって」
佐々木「そーじゃなくて・・・あー、もういい」
母  「あ、そうか。女の役をやったこと?あはは、みんなかわいかったね」
佐々木「がーー、だからもういいって」
母  「あはは、へんな子。照れてる、照れてる」
佐々木「あー、もう」

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